ノミ・マダニ予防でご来院いただく方へ

 例年の気候ですと3月初め~11月初めが予防期間となります。ノミが活動を始める(気温13℃以上)少し前に投与を始めるのが理想的です。
 ノミがついているのを見つけてから投薬を始めた場合、その時点で既に身の回りに沢山のノミの卵が落ちていて動物・人間が被るノミの被害が無くなるまでに時間がかかるようになります。
 現時点では食べさせる内服薬と、背中の皮膚に投与するスポットオン薬の2種類があります。

内服薬(ネクスガードやクレデリオ等)
 おやつタイプのお薬です。
 食べた後に有効成分が血液中を流れるようになり、それを血と一緒に吸ったノミ・マダニが死滅する仕組みとなります。
 投薬が楽ですし、家の中でノミ・マダニが増える心配もありません。しかし動物は吸血されるため痒みが生じますし、ノミの唾液に反応するノミアレルギーの治療には使えません。
 また血液中を薬が流れる仕組みのため、他の薬との併用に気をつけなければならない場合があります。

スポットオン薬(フロントラインプラスやアドバンテージプラス等)
 背中の皮膚に着けるお薬です。
 投与後に皮膚の脂の分泌に乗って皮膚表面を広がり、24時間で全身で効果を発揮します。この皮膚の上を歩いているだけで効果が出て吸血する前にノミ・マダニが死滅します。
 投与後24時間はシャンプーができないデメリットはありますが、この仕組みのため動物が吸血されることはないのでかゆみも生じず、家の中にノミ・マダニを持ち込む心配もありません。

内服薬とスポットオン薬の比較

ネクスガードとフロントラインの比較(BoehringerIngelheim社)より引用

 この表では駆除までの時間が内服薬の方が短くなっていますが、これは既に寄生している状態で投与した場合です。寄生するより先に投与していた場合にはスポットオン薬の方が早く駆除できます。
 そのため、スポットオン薬は「ノミ寄生予防も可能」とありますが内服薬にはその記載がありません。このことはこの製薬会社の製品に限らずどの製品でも同じことです。